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私はまさに日本の古代の森にいた。宮崎の綾に残されている、唯一といってもいい
照葉樹林の原生林の中だ。豊かな光と様々な色合いをもつ緑の木々に圧倒されていた。
宮崎で10代まで育ったものの、市内はおろか県内のほとんどを知らずにいたが、
この数年、映画監督として郷里を見直すチャンスがあり改めて気がついたことがある。
この森に限らず、宮崎が秘めている映像資源は驚くほど豊かだということを知ってい
るだろうか?
その地に住んでいる人間にとってはありふれた光景が、映像を通して一変する・・・
それが本来の映像資源だ。手垢のついた観光地は、すぐに飽きられてしまうものだ。
ちょっと足を伸ばせば、神秘的な森に出会える。観光地化されていない山間の村々
や神社仏閣は時代劇を撮るのに絶好のロケーションだろう。そこへ到る道の途中には、
大正、昭和初期の家屋、学校や病院などの施設が町並みごといくつも点在している。
関東周辺ではとっくに失われた風景ばかりだ。ちょっと手直しすれば、CGを使わな
くても「オールウェイズ」の世界が実写で再現可能だ。そんな都合のいい場所は、日
本にもそうはない。
日本でのFCの歴史はまだまだ浅い。既成の観光地を売りにするだけの意識の低い
処がほとんどだが、これからは地方から映像製作者へ、あるいは原作者へと素材を逆
発信する時代がやってくる。口をあけて待っている時代はまもなく終るはずだ。
ハリウッドのテレビドラマや映画の多くが、今カナダで撮影されている。アメリカ
が失った1940年代の町並みがほとんど残されていたことが最初のきっかけだった。
東京にとって宮崎がそうなる可能性は十分にある。そしていつかは、宮崎発信の映画
を宮崎人の手で!そのときには、もちろん手弁当ででも参加させて欲しいと願ってい
る。 |