MIYAZAKI LOCATION GUIDE 2006
俳優 原田芳雄 芳醇な水、空気、食そして人情。すべてが役作りの骨となる地。 原田芳雄
北きりしま

 黒木和雄監督の出身地である、えびのには『美しい夏キリシマ』のロケで初めて訪れました。

 非常に温暖で、土地も豊か、水も綺麗、人々の気持ちも然り。ある意味、生きていくうえで根本的な元素みたいなものが、この地にはある。

 ぼくらが映画を撮影している時に、ロケーションをするその場所が非常に大きな要素になってくる。シナリオを読んでいるだけでは絶対に分からない。それが宮崎の中の『えびの』に来て、ほんのつかの間のことですが、その中で多少なりとも、実像に近づくための骨を作っていくのです。そういった意味では、凄い肥沃な土地、火山と人間との歴史的な関係、『田の神さあ』もそうですし、ぼくらは近代的な生活をしていても皮膚の下には古代の遺伝子が残っている。ほんのささやかな実感ではあるがそれを感じさせてくれました。

 海辺では乱反射する陽光に溢れ、山間地にはまた違った光がある。これらの九州の他の地域では見られない独特な雰囲気を宮崎は持っている。また、『えびの映画祭』の実行委員の方々と黒木監督との縁(えにし)が有機的な形でいろいろな人たちに広がっており、歴史的なことも含めて、ひとつの物語を紡いでいる。そういう中で響いてくる。このような流れを宮崎のフィルム・コミッションに期待しています。



美しき夏キリシマ
美しき夏キリシマ
1945年、夏の霧島地方。15歳の少年、康夫は働いていた工場で空襲に見舞われ、親友 が被爆死するのを目の当たりにする。以来、一人生き残ったことに罪悪感を抱いてし まい、それが原因で体を壊し、彼は学校に行けなくなっていた。そんな康夫を厳格な 祖父・重徳は非国民と罵倒する。すっかり心を閉ざしてしまう康夫だったが、日高家 で奉公人として働くなつにだけは、歳も近いせいか気を許していた。一方、日高家の もう一人の使用人はるには、ある日縁談が持ち込まれる。しかし、相手が片足を失っ た帰還兵と知って複雑な心境になるのだった。
『TOMORROW 明日』 『父と暮らせば』 の中間に作られた、黒木和雄監督が自らの戦争体験と向き合い手掛けた戦争レクイエ ム三部作の中核となる作品で全編、えびの市でロケを敢行した。
2003年度キネマ旬報ベストテン・日本映画第1位、日本映画監督賞、日本映画新人男優賞など数々の映画 賞を受けた。
DVD発売中 発売元:株式会社ハピネット

原田芳雄 Harada Yoshio
1940年東京都出身。劇団俳優座の養成所を卒業後、1968年公開の映画『復讐の歌が聞 こえる』でデビュー。
以降、テレビドラマや映画を中心に活躍。その圧倒的な存在感 と的確な演技力を武器に、日本を代表する映画監督はもとより、若手の監督からも絶 大な信頼を受け、100本を超える映画に出演。特に黒木和雄監督の「戦争レクイエム 三部作」には全て出演して何れも高い評価を得ている。キャリアと共に数多くの映画 賞を受賞する一方、2003年には、功績が讃えられ紫綬褒章を受章。他にも独特の渋い 声を生かして映画のナレーションを担当したりミュージシャンとしても積極的にライ ブ活動を敢行している。
主な出演作として『復讐の歌が聞こえる』(1968) 『竜馬暗殺』(1974) 『田園に 死す』(1974) 『祭りの準備』(1975) 『TOMORROW 明日』(1988) 『ど ついたるねん』(1989) 『美しい夏キリシマ』(2002) 『父と暮らせば』(2004) 『亡国のイージス』(2005)など多数。

宮崎フィルム・コミッション
  ←戻る     ↑上へ     次へ→
Copyright (C) MIYAZAKI FILM COMMISSION. All Rights Reserved.
宮崎FCトップページ
CONTENTS