MIYAZAKI LOCATION GUIDE 2006
映画監督 黒木和雄 上辺だけ繕ったのではないその町その町の人々や自然の本当の姿が撮れる。 黒木和雄
人と自然

 『美しい夏キリシマ』をえびの市の霧島山麓で撮らせていただきました。多くの地元の方々から物心両面の応援をいただき実現しました。全市をあげての実質的な撮影は二ヶ月だったのですが、準備撤去を含め半年近く百数十人のスタッフが土地の人に温かく支えられて、しかも交流して楽しい仕事ができたと思います。それまで宮崎で映画のロケをすることが少なくて何度か題材を探したのですがなかなか実現しなかったんです。えびのは僕の故郷でもありますが、霧島、日南、宮崎、青島、日向そして高千穂峡など昔からの恵まれた土地で人情も細やかですし、宮崎の歴史と現在のドラマが数多く撮られることを自分も考えたいし、多くの映画人にも考えてもらいたいと思います。

 今までロケで地元に行って、いろいろお願いしたり調査することが多く、それはそれで勉強になったんですが、フィルム・コミッションができることによって多くの蓄えられた知識と情報を提供していただく。なおかつロケーション等が円滑に進み、地元の人たちとの交流も含めた、上辺だけ繕ったのではなく、その町その町の人々や自然の本当の姿を撮れるような機会を数多く提供していただく。そのような効果を果たしてくれれば、たいへん嬉しいですし、映画人の一人としてたいへん期待しています。

黒木和雄 Kuroki Kazuo

1930年宮崎県生まれ。同志社大学法学部卒業。
少年時代を満州で送る。高校時代の恩師の勧めで同志社大学に進学。卒業後、岩波映画を経てフリーに。
1970年代半ばの『竜馬暗殺』(1974) 『祭りの準備』(1975)はほとばしる青春群像を描き熱狂的ファンを生んだ。
『TOMORROW 明日』(1988)  『美しい夏キリシマ』(2002)  『父と暮らせば』(2004)は戦争レクイエム三部作と呼ばれ高く評価されている。
2006年4月没。『紙屋悦子の青春』(松田正隆原作、2006年8月公開予定)が遺作となった。


黒木和雄監督は、この冊子の完成直前の2006年4月12日にご逝去されました。
ご生前のご厚情にあらためて感謝申し上げ、ご冥福を心からお祈りいたします。


宮崎フィルム・コミッション
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