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九州の他の県は、何度か訪れたことがあったのですが、宮崎は昨年初めて訪れる機
会を得ました。椎葉村を舞台にした小説との出会いがそのきっかけで、映画化を進め
ることになったのです。シナリオハンティングという形で伺うことになったのですが、
初めておじゃまする地なので、右も左も分からず、フィルム・コミッションもまだ無
い、ということでしたので県の観光・リゾート課の方に相談をさせていただきました。
通常、製作がほぼ固まってから、地元に相談し、協力を得るものですが、シナリオ
ハンティングというのは現地に行って、さまざまな人に会い、お話を聞けるかどうか
が一番のポイントになります。風景さえ見ればいいんじゃないか、と思われがちです
が、そこに住む人たちの生き様を感じることができるかどうか、それがこの映画はい
けるぞ、と思えるかどうかの境目になるわけです。映画は絵葉書とは違い、フィルム
の中にどう人間が息づくかがとても大切なことです。そういう意味で、どんな人と出
会えるかが大きなポイントになるわけです。しかし、いきなり知らない、しかも怪し
げな「映画やってます」という人たちが来ても、そうそう心を砕いたお話を聞かせて
もらえるわけはありません。
でも今回は地元の役場の方々を始め、多くの方が協力してくださいました。「おば
ちゃん、こげなことを聞きたいらしいから話してやってよ」と言ってもらえると、安
心してお話してくださいます。そういう意味では本当に助かりました。そして、だか
らこそ、決して飛び込みで行ったのでは聞かせてもらえないようなことまでお話を聞
かせてもらうことができました。それは大きな成果でした。
映画のほうは二年連続の台風が大きな傷跡を残し、延期せざるをえませんでした。
二月の末に被害を受けた箇所を回りましたが、本当に心が痛みました。厳しい自然の
中で、逞しく生きている人々と大勢出会えた後だけに尚更でした。しかし、あの人間
力というか、人としての強さがあれば、必ずまた、素晴らしい村々に戻ることができ
るとも感じました。
あの大自然と共に生きていくのは本当に大変なことだと思います。でも、日本でも
数少ないそういう所だからこそ、そこでしか産まれない、宮崎だけでしか撮れない映
画を、宮崎の人々の魅力を活かし、お借りして、産み出せればと思っています。どう
か、今年はひどい台風が来ませんように。
頑張れ宮崎。頑張れフィルム・コミッション。 |